CFD(差金決済取引)とは
CFDについて
CFDとは、「Contract For Difference」の頭文字をとった略語で、日本語に訳すと「差金決済取引」と言われています。
簡単に言うと、株などのやり取りを、実際にはせずに買ったことにして、最後に買った時と売った時の差額だけをやり取りして、それで終わったことにする取引のことです。つまり「お金の差額の取引」という意味になります。
現物の株式を売買する場合、現金で株式を買い、保有し、売却して売却代金を受取るという流れになりますが、CFDは差金決済取引なので、現物の売買は発生しません。
取引に際しては証拠金を預け、銘柄を売買し、その差金のみを決済するという流れになります。
CFDでは世界の株価指数や個別銘柄、金や原油などの商品や債券まで、多様な資産クラスをカバーする、場合によっては約1万種類以上(※)もの様々な投資対象にレバレッジをかけて投資をすることができます。
※取り扱い業者によってカバーしているCFDの種類は異なります。
CFDの種類
CFDの種類には、
- 証券CFD
- 為替CFD
- 商品CFD
- 株式CFD
- 通貨CFD
などがあります。
通貨CFDの1種として、皆さんの良く知っている取引に「FX」があります。
FXは円とドルなどの通貨の取引をしていますが、実は、実際のお金の交換をしているわけではありません。あくまで、通貨の取引をしたことにしているだけなのです。
CFDのメリット
CFDの主なメリットとして次の3つが挙げられます。
- 様々な投資対象にレバレッジをかけた取引が可能になる。
- ショート(売り)から始められる。
- 24時間取引ができる
などがあげられます。
❶ 様々な投資対象にレバレッジをかけた取引が可能になる
CFDはFXと同様に取引期限がなく、レバレッジを効かせた取引ができます。そのため、取引期限がある日経225先物取引と比べて、FXと商品特性の良く似たCFDは取引を始めやすいのです。
また、大きく動く相場で取引したいデイトレーダーにも、FXとCFDを併用して取引することは有用です。例えば、為替相場が大きく動く日は為替に投資するFXを、株式市場が大きく動く日は株価指数に投資するCFDを取引するなど、相場状況により使い分けることが比較的簡単なのも商品特性が近いからこそのメリットです。
CFDは差金決済ですので、実物の受け渡しを行わない取引です。100万円分の取引をする場合、通常なら100万円を用意して、実物と交換する必要があります。
しかし、CFDの場合は、その何分の1、何十分の1の資金さえ用意すれば取引ができますので、これまで最低投資金額が高すぎて投資できなかったものにも少額から投資が出来るようになります。
❷ ショート(売り)から始められる
通常の株式取引の場合、株を買うことはできても、最初から売り(いわゆるカラ売り)となると、プロ投資家専用市場のようなところがあり、敷居が高いかと思います。
しかし、CFDの場合はいろいろなものに対して、簡単に売り(ショート)から入ることができます。
例えば、ニューヨークダウが下がると予想したとします。このとき、現在の価格で「売り(ショート)」を入れるわけです。結果、予想どおりに下落した場合に、そこで決済します。ここで売りを入れたときと、決済したときの下がり幅が利益となるわけです。むろん、反対に上昇した場合は損失になってしまいます。
❸ 24時間取引ができる
会社員の場合、日本株を買おうと思っても取引時間は就業時間中であることが多く、パソコンに張り付いて取引はなかなか難しいと思います。
しかし、世界中にはかならずその時間に開いているマーケットがあります。たとえば、日本は夜中でもアメリカではお昼ということがあるわけです。したがって、リアルタイムで取引可能な市場と向き合えるのもCFDの大きなメリットの1つです。
CFDのリスクについて
CFDはメリットばかりではありません。反対のCFDのリスクについて触れておきましょう。ここまでに書いてきた話を読んでいくと、すぐにでも大金を儲けられそうな錯覚に陥るかもしれませんが、油断は禁物です。特にCFDの場合、いくつかの注意点がありますので、そのあたりをしっかりと把握しておきましょう。
まず一番注意しなくてはいけないのは、レバレッジです。前述のようにレバレッジは上手に使えば非常に有用な取引方法ですが、仕組みをよく理解せずに取引をすると、知らない間に実力の何倍もの取引をしてしまい予想以上の損失を被ってしまう、なんてことも起こらないとは限りません。
また、高いレバレッジをかけている場合は命取りになる可能性がありますので、損切りをきちんとしていく必要もあります。
そして、価格が一時的に急落して、業者によって定められている証拠金維持率を一時的にでも維持出来なくなってしまうと、強制的にロスカットされてしまうこともあります。まずは必ず自分の資金力とシステムを理解した上で、取引を始めましょう。
※記載されている情報は、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。